依存症とは
やめたくてもやめられないという病気です。
依存症は慢性で進行性であると言われています。依存性のある物質の摂取や依存性のある行為を継続し、そのまま放置していくと、健康問題、貧困、家庭不和、自死、虐待、ドメスティックバイオレンス(DV)、介護、犯罪、飲酒運転などの社会的問題が深刻化する可能性が高くなります。
その理由は、依存を引き起こすものがあまりにも身近な物や行為であるため、「見ようとしないと見えない」問題となるからです。また依存症の発症には、現代社会の抱える様々な問題の存在、そこから派生した個別的な問題、生物学的な背景なども関係していると言われています。こういった複雑な因子がからみあって、依存症からの回復に影響を与えています。
依存症と聞くと、まずお酒、ギャンブル、違法薬物の三つが思い浮かぶ方も多いでしょう。しかし、飲酒しない、タバコは吸わない、違法薬物も見た事がない、という人でも依存症に陥る可能性は十分にあります。
依存症は大きく二つに分けることができます。何らかの物質に依存することを「物質依存症」といいます。アルコール・タバコなどの嗜好品、薬物などが代表的です。常にその物質を切望し、生活がその物質中心になりがちです。一方で何かをするという行為に依存することを「行為依存症」といいます。行為依存症の対象は、ギャンブル、インターネット、ゲーム、窃盗、買い物、食事、自傷行為、仕事、恋愛など、さまざまです。私たちの日常で行う身近な行為も実は依存の対象となりうるのです。
アルコール依存における治療の重要性
代表的な依存症の一つとして、アルコール問題を取り上げてみましょう。
2014年に施行されたアルコール健康障害対策基本法は、従来「自業自得」と飲酒問題を個人の責任としてきた社会の流れを変え、国、地方自治体、酒類販売者、医療従事者、国民等が責任を持って取り組む社会の問題として位置づけました。その背景には、個人の飲酒による問題で苦しむ当事者や家族の存在があります。
ご本人、そしてその大切なご家族のためにできること早期発見・早期支援・回復のための連携
アルコールを含めた依存症は、社会において大きな課題の一つです。
当院においても、2022年度からアルコール依存症の家族相談窓口を開始しました。また入院中の当事者の方対象のアルコール専門プログラム、家族の集団プログラム等を実施しています。
アルコール依存症治療の取り組み
当院では、患者様、ご家族様、そしてスタッフも一緒に治療に取り組むチームを目指しています。
<家族相談や家族会参加を希望される方へ>
ご家族様につきましても、外来診療となります。そのため、ご家族様ご自身の診察券が必要となります。ご来院される際には、ご自身の健康保険証をご持参ください。
アルコール依存症家族相談(完全予約制)
アルコール依存症に悩む患者様のご家族の方を対象に、相談をお受けいたします。
※詳細につきましては、はチラシを掲載しております。ご確認ください。
家族支援プログラム「ふきのとう」グループ(完全予約制)
希望されるご家族様を対象に、アルコール依存症に悩む家族のための対処の仕方など、グループのプログラムに参加していただきます。アメリカで開発されたCRAFTという家族プログラムを元にした内容となっています。
※詳細につきましては、はチラシを掲載しております。ご確認ください。
アルコール依存症家族会「れんげそう」グループ(完全予約制)
「家族が回復するための三本柱」とした「語る」「知る」「安心安全な場所へつなぐ」の3つをテーマに、患者様のご家族の方々に語り合いや依存症治療の勉強会などの場を提供していきます。家族のためのグループ活動です。
※詳細についてのチラシを作成中です。
入院集団療法「もちのき」グループ
アルコール依存症の治療入院をされた患者様を対象に行う、集団療法です。依存症治療の回復支援ワークでよく用いられるSMARPPを取り入れた当院の治療プログラムを行います。
※詳細についてのチラシを作成中です。
外来集団療法「準備中」グループ
アルコール依存症の治療入院を終えた患者様を対象に行う、集団療法です。外来の専門療法となります。そのため、主治医の指示が必要となります。
※詳細についてのチラシを作成中です。
※なお、アルコール以外の依存症に関しては、現在当院でプログラムとして扱っておりません。内容によってはご相談に応じます。
地域医療連携室(代表052-763-1511)までお問い合わせください。